真梨幸子さん原作「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」の感想や見所を紹介(ネタバレ無し)

「僕が生まれてきた意味を聞いてみたかったからかもしれません」

この記事では、真梨幸子さん原作「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」について綴ります。

シンプルに、見応え充分なイヤミス(いやな後味が残るミステリー)作品!

1話を視聴し始めたら、一気に最終話まで物語に釘付けになりました。これぞWOWOWドラマの真骨頂。

ネタバレ無しで書いていきます。

「坂の上の赤い屋根」とは?

本ドラマの原作は、真梨幸子さんの同名小説。

2019年に書籍(単行本)が出版され、2022年に文庫本が出版されました。

その後、WOWOWでドラマ化。2024年3月より全5話が放送されました。

なお、真梨幸子さん原作の「5人のジュンコ」もWOWOWでドラマ化されています。

あらすじ(さわりのみ)

18年前に閑静な住宅街で起きた殺人事件。医者だった青田夫妻が殺された。

犯人はこの家の一人娘・彩也子と、恋人の大渕秀行。

その後、大渕には死刑判決が出ることに。

当時、大渕の自叙伝を編集し出版した轟書房の副編集長の橋本は、この事件を題材にした新たな連載企画を持ち込む。この連載を執筆するのは、2年前に賞を取った小椋沙奈。

受け入れられないとみるや、執行役員・笠原へ直談判に向かう。

「書かなきゃいけないんです、私にしか書けないと思うんです」と悲壮な決意を抱く小椋と、「必ず話題作にしたい」と意気込む橋本。

そして、橋本と小椋は、大渕をよく知る人物に取材を行う。そこで浮かび上がる、殺人犯・大渕の人物像。

その頃、刑務所に入っている大渕は、ある人物から「青田彩也子が出所している」という内容の手紙を受け取る。

彩也子に会いたいと願う大渕は、獄中結婚した妻・鈴木礼子を使って再審請求のために動き出す。

そして、橋本が企画した連載にOKを出した笠原は、小椋の正体が気になる。

そして調べた結果、驚愕の事実が浮かび上がるのだった。

本作のキャスト

本作の主人公、轟書房の副編集長・橋本を演じるのは桐谷健太さん。

橋本が企画する連載を執筆する新人小説家・小椋沙奈を演じるのは倉科カナさん。

18年前に起きた殺人事件の犯人・大渕秀行を演じるのは橋本良亮さん。

大渕と獄中結婚し、再審請求のために動く法廷画家・鈴木礼子を演じるのは蓮佛美沙子さん。

轟書房初の女性執行役員で、テレビにも多数出演する編集者・笠原智子を演じるのは渡辺真起子さん。

元轟書房の編集長代理にして、大渕の元愛人・市川聖子を演じるのは斉藤由貴さん。

18年前、大渕とともに殺人事件を起こした青田彩也子を演じるのは工藤美桜さん。

小椋沙奈の母親・小椋美江を演じるのは宮崎美子さん。

ほかには床嶋佳子さん、七五三掛龍也さん、西村元貴さん、神保悟志さん、霧島れいかさん、水崎綾女さんといったキャストが出演しています。

桐谷健太さんがWOWOWのドラマに出るのは、「片想い」以来になるのかなと。かなり久しぶりなんですね。

倉科カナさんも数多くのWOWOWドラマに出演されていますが、「ポイズンドーター・ホーリーマザー」以来になるのかなと。

久しぶりにごっついの観た!やはりWOWOWドラマは違う!

基本的には、はじめにで書いているように「地上波ドラマは面白い作品が少ない」というスタンスです。

それでも、ここ数か月は地上波ドラマを結構よく観ていました(笑)

「面白い作品がないわけではないのかな」と、若干改心しつつあったんですが。

2024年1月から始まった地上波ドラマが、次々最終回を迎える時期に、本作を視聴しました。

いやはや、やはりWOWOWドラマは違うなと!

なんていうか、原材料が違うというか、フィジカルが違うっちゅうか。心の食いつきが違うんですよね。

久しぶりにごっついの観た気がします。「次も観たい」が止まらない。

ふと、「地上波ドラマは週刊誌、WOWOWドラマは良質な単行本」だと思いました。

4月からは、WOWOWドラマ視聴により注力しようと思います。

実力派俳優による迫力の演技

本作を良質なミステリー作品たらしめているのは、ストーリーはもちろん、実力派キャストの演技に他なりません。

出演している役者さんも、地上波ドラマの時とはなにかが違う気がする。

熱い!でもどこか違和感がある桐谷健太さん

本作の主人公(橋本)を演じる桐谷健太さん。

18年前の事件に強いこだわりを持ち、あらたな企画を持ち込みます。

記事を執筆する小椋沙奈を心強くサポートしていく熱い男......なのですが。

物語序盤から、どこか違和感がある。なにか怪しい感じがする。

物語が進むにつれて、桐谷さん演じる橋本の本性が露わになります。

桐谷健太さんが出演・主演しているWOWOWドラマは、どれも面白い!

「片想い」をはじめ、「メガバンク 最終決戦」も最高です。

あと、あまり知られていないかもしれませんが、「埋もれる」も良いんです(笑)

個人的に、「坂の上の赤い屋根」の橋本の表情が、「埋もれる」の北見に似ていると感じました。

やや怖い!蓮佛美沙子さん

死刑囚・大渕に惹かれ、獄中結婚した鈴木礼子を演じる蓮佛美沙子さん。

蓮佛さんの、こういった暗い・怖い役は斬新なのではないでしょうか。それゆえ必見です。

振り返る女性を見ながら、「整形」「中の下」「生きる価値なし」と頭の中でつぶやく。

く、口が悪すぎる(笑)

そんな蓮佛美沙子さんが出演している「誤断」は超良作です!

いわば、「坂の上の赤い屋根」とは真逆の女性を演じられています。

安定の?ひっかき回す斉藤由貴さん

大渕の元愛人・市川を演じる斉藤由貴さん。

なんていうか、安定の「酒飲んでくだを巻く」「引っ掻き回す」演技です(笑)

地上波ドラマでもWOWOWドラマでも、似たようなシーンを観たことがあるような。

こういった役を演じたら、右に出る役者さんは少ないかもしれませんね。

そんな斉藤由貴さん演じる市川は、物語の重要なキーです。

青田彩也子の素性を知る数少ない人物。そして、小椋沙奈についてあることに感づくのでした。

【個人的】本作「坂の上の赤い屋根」の見所

このドラマは、ある出版社の編集部における群像劇ではありません。

本作が描くのは「親子関係」「社会の格差」「情報の怖さ」だと思います。

傾斜がきつい坂道が分断した上と下の世界。それを象徴する赤い屋根の家。

誰もが感じうる世の中の構造というのかな。それゆえに、心に染みます。

ではなぜ、裕福でなんの不自由もない一家で、殺人事件が起きたのか。

物語に出てくる「裕福だから幸せとは限らない」という言葉は本質だと思う。

では、見所やシーンを紹介します。

4話のラスト!秘密を打ち明ける小椋沙奈

4話のラストで、鈴木礼子と小椋沙奈が対峙するシーンがあります。

そこでの小椋沙奈の笑顔が怖いです。何かが乗り移ったような、自身の正体が分かったような笑みにゾッとしました。

4話から最終話にかけて、衝撃の展開が連続します。

すべてがひっくり返る最終話

端的にいって、最終話ですべてがひっくり返ります。

今まで観ていた物事が、実は異なっていたという衝撃の結末です。

そして最終話の終盤、刑務所のガラス越しに大渕秀行と橋本が向き合います。

大渕と話す橋本の表情がこれまた怖い。大渕を映したシーンでもガラス越しに橋本が見えるんです。この描写が不気味で。

「いえ、むしろ感謝しているんですよ......」

嫌な気持ちになる、でも圧倒されるラストです。

2度観るのがおすすめ!違った面が見えてくる

こうなってくると、2度観たくなるのは必然です。

よく「この物語は2度観たくなる」というキャッチコピーが付いた作品があります。そういった作品に限って2度目は観ないという、私に限った法則があるのですが(笑)

「坂の上の赤い屋根」の場合は、自然と2度目を観たくなりました。

きっと、繰り返し視聴することで物語の違った面が見えてくるでしょう。

大渕秀行は、そもそも本当に悪人だったの?

謎もいくつか残る...

うーん、繰り返し観てもいくつかの「」が残ります。

「口笛の意味は?」「最終話で橋本が小椋にかけた言葉は?」「小椋の過去は?」「弁護士は本当はどうなった?」など。

繰り返し観るうちに、わかるかもしれないし、わからないかもしれない。

それだけ「余韻がある」ともいえるでしょう。

もしかして「イヤミス」はWOWOWドラマの真骨頂なのかも

この記事では、「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」について綴りました。

あらためて、骨太なミステリードラマです。ぜひ視聴なさってください。

これからも、骨太ドラマの登場に期待しつつ、「もしかしたら、イヤミスこそWOWOWドラマの真骨頂なのかも」と感じました。

WOWOWには骨太ドラマが多数あります!(渋滞状態)

おすすめ30選をこちらの記事で紹介しています。

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